/

韓国大統領選、カギ握る若者世代 20~30代の無党派多く

think!多様な観点からニュースを考える

【ソウル=恩地洋介】投開票まで2カ月あまりとなった韓国大統領選は、与野党候補が僅差で競り合う構図が続いている。選挙戦のカギを握るのは、特定の政党を支持しない無党派層が多い20~30代の動向だ。現政権への不満が大きい世代だが、選挙戦は醜聞合戦に陥っており、どの候補の支持率も低迷している。

韓国ギャラップの世論調査によると18歳から29歳までの年代で無党派は45%、30代は31%に上る。40代より上の年代の無党派は15%以下にすぎず、既存の政党や候補に対する若年層の失望を映している。

「Z世代」や「ミレニアル世代」と呼ばれるこの年代は、就職難など厳しい競争社会を経験し、機会の不平等に敏感だ。組織に縛られず実利を重視したがる傾向も強いとされる。

与党が惨敗した4月のソウル・釜山市長選では、この層が存在感を発揮した。不動産価格の高騰を招いた政策や、政権与党の不公正な政治に失望し、真っ先に「NO」の声を上げたことが、与党候補の敗北の主因となった。

このため大統領選の有力候補は、若年層の歓心を得ることに照準を合わせている。

与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事は最近のユーチューブ番組で、若年層の関心が高い投資環境の改善や、不動産保有に伴う税負担の軽減に相次いで言及した。政策面で他候補や文在寅(ムン・ジェイン)政権との差別化に努める。

保守系野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長は、検察出身の強権的なイメージの払拭を意識しているようだ。28日には20~30代の支持者との懇談会を開き、韓国の若年層で深刻なジェンダー対立について議論した。

両候補の支持率は、尹氏がわずかにリードする状況が続いてきた。ただ、直近では李在明氏が逆転する調査が増えている。

原因は「政治素人」である尹氏の陣営で統率の乱れが際立ち、若者離れを引き起こしているためだ。36歳の党代表、李俊錫(イ・ジュンソク)氏が21日に「何の未練もありません」と言い放ち、選挙対策委員会の全ての役職から退いたことも響いた。

これは、尹氏の側近である検察出身議員らと李俊錫氏が対立したためだ。李俊錫氏は広報メディア戦略を担い、20~30代をひき付ける象徴的な存在だっただけに、陣営への打撃は大きい。

与党の李在明氏側は、予備選を競った後に距離を置いていた李洛淵(イ・ナギョン)前代表や丁世均(チョン・セギュン)前首相が協力を表明した。ただ、国政経験のない李在明氏と主流派の国会議員が最後まで歩調を合わせられるかは不透明だ。

世論調査では両候補に対して「好感が持てない」という回答が圧倒的に多い。若年層からは「準備不足の候補をみると、弾劾された朴槿恵(パク・クネ)前政権の記憶がよぎる」(20代男性)、「与党候補に期待はできないが、野党候補も国民目線からはほど遠い」(30代女性)といった声が聞かれる。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

  • この投稿は現在非表示に設定されています

    (更新)
    (0/300)
(0/300)
投稿内容をご確認ください
投稿チェック項目誤字脱字がないかご確認ください
投稿チェック項目トラブル防止のため、記事で紹介している企業や人物と個人的つながりや利害関係がある場合はその旨をお書き添えください
投稿チェック項目URLを投稿文中に入力する場合は、URLの末尾にスペースか改行を入れてください
詳細は日経のコメントガイドラインをご参照ください

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン