経営再建中の海南航空、最終赤字440億円 7~9月

【広州=比奈田悠佑】経営再建中の中国の準大手航空、海南航空が28日発表した2021年7~9月期決算は最終損益が25億元(約440億円)の赤字だった。前年同期は38億元の赤字。中国は新型コロナウイルスの押さえ込みに比較的成功しているものの、旅客需要は本格回復していない。海南航空は再建スポンサーの資金注入を受ける見通しだが、経営の安定は容易ではない状況だ。
売上高は10%増の89億元だった。本拠地とする南部のリゾート、海南島は中国人観光客も外国人と同様に免税で買い物できる「離島免税制度」があり、人気を集めている。海南航空の21年1~9月の国内線旅客数は前年同期比4割増の3341万人に達した。
一方、国際線は9割減の3万7000人にとどまった。新型コロナの世界的な流行後、中国政府は海外からの旅客便の乗り入れを厳しく制限した。中国の航空会社も単価の高い国際線の大幅な絞り込みを余儀なくされており、全体収益が苦しくなる構図が続いている。
海南航空を傘下に持つ海航集団は23日、グループの主要各社が策定していた更生計画案が債権者らの承認を得たと発表した。海南航空の計画は戦略投資家からの出資受け入れを前提としており、複合企業の遼寧方大集団実業が資金を注入する方針だ。中国メディアは遼寧方大が380億元を拠出すると報じている。
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