ファーウェイ14%減収 1~3月、米制裁の影響続く

【広州=川上尚志】中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は28日、2022年1~3月期の売上高が前年同期比14%減の1310億元(約2兆6000億円)だったと発表した。米政府による制裁で、半導体などの調達が厳しく制限されていることが響いた。
ファーウェイの胡厚崑(ケン・フー)副会長兼輪番会長は28日の発表文で、「全体的な経営結果は予想通り。消費者向け事業は大きな影響を受けたが、ICT(情報通信技術)インフラ事業は安定した成長を実現した」と説明した。ファーウェイは19年から米政府による輸出規制を受けてスマートフォン向けの高性能な半導体の確保が難しく、主力のスマホ関連事業の落ち込みが続いた。
1~3月期の売上高純利益率は4.3%と、前年同期に比べ6.8ポイント下がった。ファーウェイは「減収の影響のほか、各方面への投資を増やしているため」と説明する。前年同期に計上した特許使用料がなくなった反動もあるとみられる。
胡副会長は26日、中国南部の広東省深圳市の本社で開いたアナリスト向け事業説明会で「まず生き残らなければならず、生き残る質も高めなければならない」と訴え、デジタル化や「脱炭素」などの分野で事業を広げる方針を示した。半導体については「現時点で自ら工場を建設する計画はない」と述べつつ、調達に向けては「あらゆるサプライチェーン(供給網)の皆さんと協力していく」とした。
ファーウェイは非上場だが19年1~3月期から四半期決算の開示を始めた。事業別や地域別の売上高など詳細な情報は公表していない。