日本の水際対策、訪日香港人1万人に影響か 直行便停止で

【香港=木原雄士】日本政府が新型コロナウイルスの水際対策を強化し、日本への旅行が急増していた香港で影響が広がっている。日本は香港からの直行便を羽田空港などに限定するよう求め、香港人の人気旅行先である札幌、福岡、那覇との直行便がキャンセルになる可能性が大きいためだ。香港政府は決定の撤回を求めた。
香港は日本到着時の検査対象からは外れたものの、旅客便を成田、羽田、関西国際、中部国際の4空港に限定する措置は中国本土と同じ扱いになった。香港経済日報によると、12月30日から2023年1月10日までにキャセイパシフィック航空などが札幌、福岡、那覇の各都市に84便を飛ばす予定だった。年末年始の訪日客、約1万人が影響を受けるとの見方が出ている。
香港政府の林世雄・運輸物流局長(閣僚級)は28日「観光のピークシーズンに日本政府が下した性急な決定に失望した」と表明した。日本に滞在中の香港人が帰れなくなる懸念もあり、日本政府に決定を撤回するよう申し入れた。香港航空は28日、30日以降の札幌と那覇便を取り消し、日本から香港人を戻すための特別機を手配すると発表した。
香港は中国本土に先駆けてゼロコロナ政策を見直し、訪日旅行が急増していた。日本政府観光局(JNTO)によると、11月の香港からの訪日客は8万3000人と、前年同月の798倍だった。

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