中国、ロボット5カ年計画発表 年20%成長めざす

【北京=多部田俊輔】中国政府は28日、今後5カ年のロボット産業発展計画を発表した。2025年までに世界の先進レベルに追いつき、同産業全体の売上高について年率20%を超える成長を目標に掲げた。米中対立の長期化をにらみ、国際競争力を持つ世界大手をつくりだし、米国の経済制裁に影響されない「製造強国」をめざす。
産業政策を担う工業情報化省などが中心となって計画をまとめた。20年の全体の売上高は1000億元(約1兆8000億円)に達したが、基礎的な技術力や高い技術水準を備えた製品の生産に弱みがあることから、ロボット産業の技術革新の能力を高めることを目標にした。
具体的には、大手企業を中心に再編・統合を支援し、国際競争力を高める。産学官の連携を強化して材料や中核部品などのレベル向上をめざし、金融支援も行う。米中対立で経済安全保障の観点が重要になっていることから、サプライチェーン(供給網)の多元化も進める。
ロボットを工業、サービス、特殊型の3分類にして成長戦略を示した。工業ロボットでは自動車、航空宇宙、交通、半導体など製造分野を中心に開発に力を入れる。サービス型ロボットでは、手術などの医療用のほか、農業や鉱業、建築現場向けなどを強化する。特殊ロボットでは暴動対応や治安向けなどに注力する。
用途開発では、自動車、電子機器、機械、建材、医薬、物流、教育などを引き続き強化する分野に選んだ。これから用途開発を本格的に開拓する分野としては、鉱山、石油、農業、電力、建築、航空、宇宙、船舶、原子力、治安などを挙げた。
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