上海市トップに北京市長・陳吉寧氏 最高指導部入り有望

【北京=羽田野主】中国共産党は上海市トップの党委員会書記に北京市長の陳吉寧氏を充てる人事を決めた。中国国営の新華社が28日、伝えた。広東省トップには黄坤明・党前中央宣伝部長が就いた。
上海市トップは次の最高指導部入りが最も有望視されるポスト。習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)も上海市トップを経て最高指導部に入った。前任の李強(リー・チャン)氏も今月の党の重要会議で最高指導部入りを果たした。広東省トップも出世コースだ。
陳氏は環境工学を専門とする学者出身。習氏の母校である清華大の学長を務めた。環境保護相を経て2018年に北京市長に就いた。党大会後の中央委員会第1回全体会議(1中全会)で党序列24位以内の政治局員に選ばれた。
黄氏は習氏の福建省勤務時代に知り合い、習氏が浙江省トップに異動後も支えた。
中国メディアによると、少数民族政策などを管轄する中央統一戦線工作部長には石泰峰・中国社会科学院長が就いた。石氏は党幹部を養成する「中央党校」で習氏が校長だった時期に副校長を務めた。石氏は今回政治局員に昇格しており、中央統一戦線工作部長の位置づけも上がっている。