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エアアジア、最終赤字1350億円 20年12月期

債務超過、900億円超に拡大 

エアアジア・グループは6四半期連続の最終赤字に=ロイター

【シンガポール=中野貴司】マレーシアの格安航空(LCC)大手、エアアジア・グループが29日発表した2020年12月期決算は、最終損益が51億リンギ(約1350億円)の赤字となった。新型コロナウイルスの感染拡大による旅客需要の急減で、赤字額は前の期(3億リンギの赤字)から大幅に拡大し、債務超過額も35億リンギに膨らんだ。

エアアジアは今年に入り、香港の実業家、スタンレー・チョイ氏などから3億3600万リンギを調達したが、債務超過の解消には、さらに多額の資本調達が不可欠となる。ビジネスや観光目的の旅客需要の回復には、なお時間がかかる見通しで、一段のリストラを迫られる可能性もある。

20年12月期の売上高は31億リンギと前の期より74%減った。旅客数が1330万人と前の期より74%減ったことが響いた。四半期ベースでは、20年10~12月期の最終損益は24億リンギの赤字と、7~9月期(8億5000万リンギの赤字)からさらに拡大した。資産の再評価で多額の減損損失を計上したためだ。エアアジアはコロナ前の19年7~9月期から最終赤字に陥っており、赤字は6四半期連続。21年に入っても国内外の旅客需要の回復は鈍く、当面は赤字が続く公算が大きい。

エアアジアは日本から撤退したほか、インド法人の株式の大半を売却するなど事業の選別を加速している。中長距離専門のエアアジアXも再建のため、債権者と債務の整理手続きに入っている。3月にはシンガポールで食事宅配サービスも始めるなど、航空関連以外の収益を伸ばそうと必死だ。

エアアジア・グループは収益多角化のため、食事宅配にも参入した=同社提供

ただ、エアアジアが強化する食事宅配や金融事業はシンガポールの配車大手、グラブなどが多額の投資をして激しいシェア争いを繰り広げている分野だ。安定した収益を稼ぐには時間がかかり、本業であるLCCの旅客数が回復しない限り、グループ全体の業績の大幅改善は期待できない。

マレーシア政府は、政府系ファンドを通じてナショナルフラッグのマレーシア航空を支援する方針だが、エアアジアの支援にまで踏み切るかは不透明だ。エアアジアはまず、自力で銀行からの借り入れや増資のメドをつける必要がある。同社は最低でも20~25億リンギの資金の確保を目指すが、綱渡りの財務状況が今後も続く。

トニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は29日の声明で、新型コロナのワクチン普及などで「国際的な旅客需要は年後半に回復し始め、今後2年以内に完全に回復する」との見通しを示した。一方、航空アナリストのブレンダン・ソビー氏は「新型コロナ危機の長さと深度を考えれば、これまでの資金調達額では不十分だ。エアアジアは日本やインド事業の整理に加えて、追加のリストラに踏み切る可能性がある」と指摘する。

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