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反外国制裁法、香港に適用か 地元報道 外資は板挟み

米制裁に従う金融機関が影響を受ける可能性もある(香港の金融街・中環)=ロイター

【香港=木原雄士】複数の香港メディアは28日、中国が外国による制裁への対抗措置を定めた「反外国制裁法」を香港とマカオに適用する方針だと報じた。8月に開く全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会で決める見通しだ。香港に拠点を置く金融機関など外資系企業に影響が及ぶ可能性がある。

中国国営の新華社は8月17~20日に開かれる全人代常務委で香港基本法とマカオ基本法の付属文書の見直しを審議すると伝えた。香港紙・星島日報などによると、反外国制裁法を「全国性法律」と位置づけ、香港とマカオにも適用する。

反外国制裁法は、対中制裁の決定や実施に関与した個人や組織に対し、ビザ発給拒否や国外追放、中国国内の財産差し押さえなどの措置を取ると定める。中国は同法に基づき米国のロス前商務長官などに制裁を科すと発表したが、一国二制度のもと法体系が異なる香港の扱いは明確でなかった。

香港に同法を適用した場合、米制裁に従う金融機関に影響が及ぶ可能性がある。同法は「いかなる組織や個人も外国の制裁に協力してはならない」とし、制裁の被害者は損害賠償訴訟を起こせると定める。

米政府は中国による香港締め付けに反発し、中国や香港の当局者を制裁対象に指定してきた。これまで欧米金融機関や中国の国有銀行も米制裁に従ってきたとされる。星島日報は香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官らが米制裁に従う銀行を訴えられるようになると報じた。

反外国制裁法は、中国の報復に協力しない組織や個人の「法的責任を追及する」とも定める。米国と香港の双方でビジネスを手掛ける金融機関は米中どちらの制裁に従うか、板挟みになる公算が大きい。

香港のリスク助言会社スティーブ・ビッカーズ・アンド・アソシエーツは「企業は反外国制裁法によって相いれない米国と中国の規則に対応するという難しい課題に直面する。米国がさらなる制裁を実行しようとすれば、予期せぬ結果をもたらす恐れがある」と指摘した。

バイデン政権は今月、香港で活動する米企業の事業リスクを指摘する文書で、企業に米制裁に従うよう呼び掛ける一方、中国から報復を受ける可能性にも言及した。反外国制裁法が適用されれば、このリスクがいっそう現実味を帯びる。

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