ソフトバンクG孫氏「DXを通じ日本をAI先進国に」

ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は28日、オンライン上で開催した講演で「デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて日本をAI(人工知能)先進国にする必要がある」と訴えた。傘下のファンドを通じて出資する世界のAI企業のノウハウを、ヤフーやLINEなどグループ企業の経営に生かす方針も強調した。
法人顧客向けのイベント「ソフトバンクワールド2022」で発言した。孫氏は「日本はもともとハイテク国家だったが、現在の競争力は低迷している。AIの導入率でも非常に後れを取っている」と危機感を語った。また、CPU(中央演算処理装置)の進化が社会を変えていくとし、傘下の英半導体設計大手アームが「AI革命」を実現する上で重要な役割を担っていくと強調した。
SBGは傘下の「ビジョン・ファンド」などを通じ475社に投資する。孫氏は「世界のAIのユニコーン企業(企業価値が10億ドルを超す未上場企業)の約3分の1に投資している。こうした企業が持つノウハウを国内で生かしていく」と語った。ソフトバンクの通信事業、Zホールディングス傘下のヤフーやLINEなどのほか、スマートフォン決済「PayPay(ペイペイ)」でも世界のユニコーン企業の知見を導入していく方針だ。