ポスコの純利益半減、22年12月期 台風被害と価格下落で

【ソウル=細川幸太郎】韓国鉄鋼大手のポスコホールディングスが27日発表した2022年12月期の連結純利益は、前の期比51%減の3兆5600億ウォン(約3750億円)だった。主力の浦項製鉄所での台風被害で損失が発生したほか、景気後退による鉄鋼製品の価格下落が響いた。
売上高は同11%増の84兆7500億ウォン、営業利益は47%減の4兆8500億ウォンだった。
ポスコは台風被害による機会損失や復旧費用などで1兆3400億ウォンの損失を営業利益ベースで計上した。9月に韓国南東部に上陸した台風の豪雨で浦項製鉄所の圧延工場などに浸水し、完全復旧までに4カ月ほどを要したためだ。

復旧活動が続いた22年10〜12月期は、売上高が前年同期比10%減の19兆2470億ウォン、営業損益は4250億ウォンの赤字(前年同期は2兆3680億ウォンの黒字)となった。営業赤字は、現在の会計基準を適用した11年以降で初めてという。
足元の景気後退で自動車や建設用の鉄鋼需要が弱含んでおり、鉄鉱石や石炭の価格上昇分を製品価格に転嫁しにくくなっている。今後、中国の鉄鋼メーカーの生産回復が進めば需給がさらに悪化する可能性もある。
22年の年間粗鋼生産量は21年比11%減の3421万トンで、製鉄所の稼働率は84%だった。
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