LGDの20年10~12月期、最終黒字に転換 580億円

【ソウル=細川幸太郎】韓国LGディスプレー(LGD)が27日発表した2020年10~12月期の連結最終損益は6210億ウォン(約580億円)の黒字だった。市況悪化で在庫評価損を計上した前年同期の1兆8171億ウォンの赤字から黒字転換した。テレビやパソコンの需要増でパネルの販売価格も安定した。
売上高は前年同期比16%増の7兆4612億ウォンだった。20年7~9月期と比べても増収増益だった。感染症の影響で世界的に在宅時間が長くなり、特に高価格帯のテレビ向けパネルが好調だった。LGDが得意とする利幅の大きいノートパソコン向け液晶パネルの販売増も業績を押し上げた。

有機ELパネルへの注力も収益改善につながった。中国・広州のテレビ向け有機ELパネル工場が本格稼働し供給能力が2倍に拡大。LGブランドのテレビだけでなく、ソニーやパナソニックなど外部へのパネル供給が伸びた。スマホ向けでは米アップルのiPhone向けの供給が安定し利益拡大につながった。
20年12月期の通期業績では上半期の市況低迷が響き、最終損益は710億ウォンの赤字(前の期は2兆8720億ウォンの赤字)だった。通期の最終赤字は3年連続。売上高は3%増の24兆2300億ウォンだった。
20年1月に発表した国内工場でのテレビ向け液晶パネルの生産中止について、徐東熙(ソ・ドンヒ)最高財務責任者(CFO)は「市況や顧客ニーズに合わせて柔軟に対応する」として継続稼働の方針を示した。