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弾劾「合憲」5人どまり 共和、トランプ氏なお影響力

共和党の上院トップ、マコネル院内総務は弾劾裁判が違憲との見解を示した(26日)=ロイター

【ワシントン=永沢毅】米上院本会議で26日、共和党所属の50人のうち45人の上院議員がトランプ前大統領の弾劾裁判は「違憲」との判断を示した。裁判に賛成したのは5人にとどまり、トランプ氏に有罪評決をくだすのに必要な17人を大きく下回った。有罪評決は困難との見方が強まっている。

共和党のランド・ポール上院議員が、大統領を退任して民間人となったトランプ氏を裁判にかけるのは「違憲」と訴え、弾劾裁判の合憲性について採決を求める動議を提出した。採決の結果、賛成45、反対55の反対多数で否決された。共和党から5人が民主党(無所属含めて50人)に同調して反対に回り、残る45人の共和議員が賛成した。

造反が5人にとどまった一因には、共和党支持層でなお根強いトランプ氏の影響力がある。米マンモス大の世論調査によると、弾劾への賛成は民主党支持層で92%に達したものの、共和党支持層では13%にとどまった。

造反した共和党の5人はかねてトランプ氏に批判的な党重鎮のロムニー議員、次の選挙に出馬しない意向を示すトゥーミー議員といったトランプ氏の影響力をあまり考慮する必要のない顔ぶれが目立つ。任期6年の上院議員で2026年改選組のコリンズ、サス両議員も同じだ。

現職は有権者の意思に背いて賛成に動けば、予備選でトランプ氏から「刺客」を差し向けられるなどして、しっぺ返しに遭う可能性がある。マコウスキー議員(当選3回、アラスカ州選出)は22年改選組だが、父から地盤を譲られたこともあり選挙に強い。

ポール氏は採決後に「弾劾裁判はもはや終わったも同然だ」と勝利宣言した。裁判で「有罪」とみなす可能性を排除していないとの見方があった共和トップのマコネル院内総務が賛成に回ったことも大きい。

上院を束ねるマコネル氏が裁判は違憲との判断を示してトランプ氏に同調したことで、弾劾賛成論が広がりを欠いた可能性もある。トランプ氏に有罪評決をくだすには上院(定数100)の出席議員の3分の2の賛成が必要で、共和党から少なくとも17人の造反が必要になる。

米メディアによると、弾劾裁判を違憲とみなした45人の共和議員の中には上院での審理を踏まえて最終判断すると話している向きもいる。ただ、造反に回ったコリンズ議員ですら「前大統領が有罪となる可能性は極めて低い」と認めざるを得ない情勢となっている。

トランプ氏は連邦議会議事堂占拠事件を扇動したとして、下院で大統領としては史上初となる2回目の弾劾訴追を受けた。裁判は2月9日から実質的な審理が始まる。トランプ氏の20年の裁判は3週間、クリントン元大統領は5週間で結審した。

退任後の大統領を弾劾裁判で裁いた例は過去になく、違憲と主張する法律の専門家もいる。ただ、議会調査局は公職を離れた後でも弾劾裁判を開くことができるとの見解を示している。1876年には戦争長官(当時)が辞任後に下院で弾劾訴追され、上院の弾劾裁判で無罪評決を受けた前例もある。

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