台湾メディアテック、純利益が過去最高 1~3月

【台北=龍元秀明】半導体設計開発の台湾最大手、聯発科技(メディアテック)が27日発表した2022年1~3月期決算は、純利益が前年同期比30%増の332億台湾ドル(約1400億円)だった。売上高は同32%増の1427億台湾ドルと、いずれも四半期ベースで過去最高を更新した。高速通信規格「5G」対応のスマートフォン向けの需要が伸びた。
メディアテックはスマホ向けの通信半導体で、米クアルコムをしのぐ世界トップ。経営トップの蔡力行・最高経営責任者(CEO)は同日、オンラインで開いた記者会見で「22年はシェアを維持、拡大できる」との見通しを示した。1~3月期はWi-Fiや電源管理向け半導体の需要も伸びた。
足元では中国での新型コロナウイルス感染拡大や、世界的なインフレによる消費者心理の悪化などを受けて、スマホ市場の減速が懸念されている。
メディアテックは22年の5Gスマホの世界出荷台数について、6億6000万~6億8000万台になるとの予測を示した。中国の需要減速を受けて1月時点の7億台から下方修正した。ただ、21年比でみれば30%増える。
蔡氏は「北米やインドなど、中国以外の市場が成長する」とし、4~6月期については前年同期に比べ17~25%の増収が見込めるとした。