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北朝鮮「力の空白」にらみ開発加速 弾道ミサイル発射

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【ソウル=恩地洋介】北朝鮮が北京冬季五輪をはさみ、約1カ月ぶりに弾道ミサイルを発射した。ロシアのウクライナ侵攻に世界が目を向けるなか、米国への対決姿勢を誇示した。ウクライナ侵攻や3月の韓国大統領選などで生まれた朝鮮半島における「指導力の空白」をにらみ、ミサイル開発を加速している。

防衛省は27日のミサイルの最高高度が約600キロメートルだったと分析した。聯合ニュースによると、韓国の軍や専門家には2017年に発射した固体燃料型の中距離弾道ミサイル「北極星2」と類似しているとの見方がある。

発射場所は首都平壌だった。1月17日に平壌の順安(スナン)空港から短距離弾道弾を撃った際には「生産装備されているミサイルの検収試射だった」と説明した。今回も新型ミサイルの実戦配備を宣伝しようとした可能性がある。

ウクライナ侵攻のさなか、米国が北朝鮮の脅威に十分に対応する余裕は乏しい。北朝鮮はこうした国際情勢を見極めながら、戦術核兵器の開発と配備を加速する方針とみられる。

中国やロシアへの関係強化も図っている。北朝鮮外務省は26日、ウクライナ侵攻に関してロシアを擁護する立場をウェブサイトに載せた。侵攻の原因について、国際政治の研究者の発言を引用し「北大西洋条約機構(NATO)の拡大によりロシアの国家安全が脅かされたことにある」と主張した。「世界の覇権と軍事的優位だけを追求し、一方的な制裁と圧力にしがみついてきた米国の強権と専横に根源がある」などとする論も展開した。

中国にも対米共闘を繰り返し呼びかけている。金正恩(キム・ジョンウン)総書記は北京冬季五輪の閉幕後、習近平(シー・ジンピン)国家主席に「戦略的協力」の強化を働きかけるメッセージを送った。

26日の朝鮮中央通信によると、中国側はこれに「地域の平和と安定、発展、繁栄のために積極的に寄与する用意がある」などと答える習氏のメッセージを返信した。弾道ミサイルの発射も中国に配慮して北京冬季五輪が終了するまで控えた可能性がある。

東アジアでは中朝ロと日米韓の陣営が対立する構図が一段と浮き彫りになっている。4月には北朝鮮有事を想定する米韓合同軍事演習がある。北朝鮮では故金日成主席の生誕110年を祝う大規模行事が準備されており、金正恩氏自身も党のトップに就任して10年の節目を迎える。米韓の当局は軍事的な挑発が当面続くとみる。

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