韓国GDP、7~9月期0.3%成長 半導体など輸出振るわず

【ソウル=細川幸太郎】韓国銀行(中央銀行)が27日発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比0.3%増え、9四半期連続でプラスとなった。電気自動車(EV)への投資が活発で設備投資が前期比5.0%増と大きく伸びた。ただ、半導体市況の悪化とともに輸出が振るわず、資源価格の高騰とウォン安によって輸入が急増してGDPを押し下げた。
韓国経済の屋台骨である輸出は前期比1.0%増で、輸出金額全体の2割を占める半導体が市況悪化で伸び悩んだ。中国経済の減速もあって石油化学や鉄鋼、機械類の輸出も振るわなかった。その一方でエネルギー価格の高騰と原材料高の影響で輸入は5.8%増となり、貿易赤字が全体の成長率を1.8%引き下げた。
設備投資は堅調だが、半導体市況の低迷が影を落とす。大手のSKハイニックスは2023年の設備投資を22年比で半減すると表明している。
新型コロナウイルスの制限解除で消費活動は活発だった。旅行のほか百貨店などでの高額消費が好調で、民間消費は1.9%増だった。
韓国銀行は22年通年で2.6%成長を見込む。米連邦準備理事会(FRB)に追従する形で韓国銀行も政策金利を引き上げて景気の先行きが不透明になっている。