インドGDP0.4%増、10~12月期
コロナ感染減少で3四半期ぶりプラス

【ニューデリー=馬場燃】インド政府は26日、2020年10~12月期の実質国内総生産(GDP)が前年同期比0.4%増だったと発表した。新型コロナウイルスの感染減少に伴う経済活動の正常化により、3四半期ぶりのプラス成長になった。
実質GDPはコロナの感染拡大を受け、4~6月期に過去最悪の24.4%減、7~9月期に7.3%減と、2四半期連続でマイナス成長だった。インドのコロナ感染者は20年9月には1日あたり10万人弱と世界最多で推移していたが、12月には1万~2万人の水準に落ち着いた。
10~12月期は製造業が1.6%増、建設が6.2%増、金融・不動産が6.6%増などと幅広い業種でプラスに転じた。GDPの6割弱を占める個人消費も2.4%減にとどまり、7~9月期の11.4%減からマイナス幅が縮小した。11月のヒンズー教の大祭に伴う祭事商戦も売れ行きが比較的良かった。
インド政府は過去の実質GDPを改定したことにより、20年度の通年の見通しを8%減に下方修正した。モディ政権はコロナの感染拡大を受け、5月から地場製造業の振興をはかる施策を打ちだしてきた。21年度予算でもインフラ投資などに力を入れる。これから景気が持ち直すかどうかは、コロナ感染を抑えつつ、多くの産業を底上げできるかにかかっている。