台湾、22年の防衛予算1兆8600億円 F16戦闘機購入など

【台北=中村裕】台湾の行政院(内閣)は26日、2022年の防衛費を総額4717億台湾㌦(約1兆8600億円)とする予算案を閣議決定した。21年の予算案に比べ約4%の増加となる。米国の戦闘機「F16」の新型機の購入に401億台湾㌦を充てるなど、軍事的圧力を強める中国を念頭に、防衛能力を引き上げる。
22年の総予算案(特別予算含む)は2兆4527億台湾㌦で、防衛費は約2割を占めた。今後、立法院(国会)での承認を経て、年内に正式決定する見通し。
防衛費が一段と膨らむのは、台湾軍の空軍強化が大きい。現在、F16戦闘機を約140機保有するが、新たに米国から同機の新型機を合計66機購入することが昨年、正式に決まった。総額2472億台湾ドル(約1兆円)が投じられ、26年までに全機が台湾に納入される予定。同費用の計上を21年から本格化し、同年の防衛費は20年比で10%強膨らんだ。
中国軍機による台湾の防空識別圏への侵入など、中国による台湾への威嚇行為が昨年から目立つようになった。そのため、米国はトランプ前政権下で、台湾が長年、購入を要望していたF16戦闘機の新型機の大量売却を決めた経緯がある。