LGDが4年ぶり黒字転換 21年12月期最終、有機EL好調

【ソウル=細川幸太郎】ディスプレー大手の韓国LGディスプレー(LGD)が26日発表した2021年12月期の連結最終損益は1兆3340億ウォン(約1270億円)の黒字だった。前の期は760億ウォンの赤字で、黒字転換は4期ぶり。有機ELパネルの販売拡大と、液晶パネルの構造改革で収益が改善した。
売上高は前の期比23%増の29兆8780億ウォンで、9年ぶりに過去最高となった。営業損益は2兆2310億ウォンの黒字(前の期は360億ウォンの赤字)だった。

上半期はテレビ需要が堅調だったほか、韓国と中国の有機ELパネル工場の歩留まり(良品率)向上によって収益が安定した。米アップルのiPhone販売が好調なことからLGDの有機ELパネルの出荷量も増えた。
LGDは中国勢との差異化が難しいテレビ用液晶パネル事業を大幅に縮小。単価が高いノートパソコンやゲーム機向けの液晶パネルに軸足を移しており、赤字受注を減らして着実に収益を稼ぐ顧客基盤を築いている。
21年10~12月期の売上高は前年同期比18%増の8兆8070億ウォン、営業利益は30%減の4760億ウォンだった。巣ごもり需要で好調だったテレビ販売が一服しており、LGDのパネルの売れ行きに影響した。