トヨタ、中国で燃料電池車「ミライ」発売 50台限定

【広州=川上尚志】トヨタ自動車は26日、燃料電池車(FCV)の「ミライ」を中国で販売すると発表した。トヨタの中国法人が日本からミライを50台限定で輸入し、現地合弁会社の「広汽トヨタ」が2022年末に北京市などの一部都市で発売する。中国でミライを売るのは初めてで、現地での知名度を高める狙いだ。
ミライの小売価格は74万8000~75万1000元(約1500万円)で、広汽トヨタが北京市と上海市、広東省の広州市と仏山市の計4都市の店舗で発売する。
トヨタが2月の北京冬季五輪で移動手段などとして供給したミライ111台も活用し、一般消費者がFCVに触れられる機会を増やす。広汽トヨタが上記4都市でレンタカーや観光地の巡回車両などとしてミライを活用する計画だ。
トヨタは清華大学や中国国有自動車大手と組んでFCVのシステムを開発する合弁会社を20年に設立し、中国のFCVのバスに動力システムなどが採用されている。北京冬季五輪ではFCVのマイクロバス「コースター」も供給した。
トヨタは乗用車のFCVであるミライの販売にも乗り出すことで、中国で関連需要の開拓を急ぐ。ただ普及にはFCVの充塡施設である水素ステーションの整備が課題だ。ミライを発売する北京市などの4都市は水素ステーションのインフラ建設に注力しているが、日常的にFCVを利用できる環境づくりには時間がかかる可能性がある。
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