現代自、営業最高益1兆円 22年通期生産回復で

【ソウル=細川幸太郎】韓国の現代自動車が26日に発表した2022年12月期の連結営業利益は、前の期比47%増の9兆8200億ウォン(約1兆300億円)と、12年ぶりに過去最高を更新した。半導体不足の解消によって生産台数が回復したほか、利幅の大きい多目的スポーツ車(SUV)や高級ブランド「ジェネシス」の販売が好調で利益を押し上げた。
売上高は同21%増の142兆5280億ウォン、純利益は40%増の7兆9840億ウォンだった。売上高も過去最高、純利益は10年ぶりの高水準だった。ウォン安ドル高も営業利益の拡大につながった。
競合他社が半導体不足などで生産台数を確保できない中で、現代自は欧米市場中心に高値で安定的に販売し単価上昇につなげた。部品共通化などコスト削減によって売上高原価率は前の期比で1.1ポイント低下し、値引き販売の抑制によって販売管理費率も2.7ポイント低下したという。

世界販売台数は21年比4%減の396万台だった。地域別では、北米が2%減の94万台、韓国が5%減の68万台、欧州が7%増の58万台、インドが7%増の56万台だった。不振の中国は33%減の25万台、ロシア地域は56%減の9万台に落ち込んだ。
現代自は23年の販売台数目標を22年比9%増の432万台とする。そのうち電気自動車(EV)は54%増の33万台を見込む。特に米国での販売拡大に注力するという。同社は「サプライチェーン(供給網)問題に伴う待機需要は大きく、地域別の主力モデルを円滑に供給して販売を伸ばしていく」とした。
22年10〜12月期の売上高は前年同期比24%増の38兆5240億ウォン、営業利益は2.2倍の3兆3590億ウォン、純利益は2.4倍の1兆7100億ウォンだった。