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中国、自国監督のアカデミー賞祝わず 発言を問題視か

アカデミー賞で監督賞を受賞したクロエ・ジャオ氏(25日)=ロイター

【大連=渡辺伸】中国の北京出身で米国で活動する映画監督、クロエ・ジャオ氏(39)が米アカデミー賞で作品賞や監督賞を受賞したことを巡り、中国政府が情報統制に乗り出している。ジャオ氏が過去に中国に批判的な発言をしたことが影響したとみられる。

受賞作品は米国で短期雇用の現場を渡り歩く人を描いた「ノマドランド」。中国の主な官製メディアである新華社、人民日報、国営中央テレビ(CCTV)はいずれもジャオ氏の受賞を報じていない。

米ワシントン・ポストなどによると中国当局は3月、国内のメディアに対し、アカデミー賞の授賞式を生中継させないことを決めた。中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」ではノマドランドの中国語名「無依之地」のハッシュタグ(検索目印)をつけたページも検索できない。

ジャオ氏が2月末、アカデミー賞の前哨戦である米ゴールデングローブ賞の監督賞を受賞したとき、中国共産党系の環球時報などは当初は「アジア系の女性として初めて監督賞を受賞した」と称賛する記事を出した。

しかし3月に入り、ジャオ氏が2013年のインタビューで「私が10代のころ、中国ではあらゆるところに嘘があった」と批判的な話をしたことがネットで話題になった。微博ではユーザーからジャオ氏を批判するコメントが書き込まれた。

ノマドランドは中国でも4月23日から公開予定だったが、現在も上映されていない。中国外務省の汪文斌副報道局長は26日の記者会見でジャオ氏の受賞について「外交の問題ではない」とコメントを避けた。

中国大陸よりも自由な言論が認められてきた香港でも約50年ぶりにアカデミー賞の授賞式が放送されなかった。19年の香港の大規模デモに参加した若者の姿を描いた短編ドキュメンタリー映画「ドゥ・ノット・スプリット」が候補作品に選ばれており、同作品が受賞した場合に備えたとみられる。

中国共産党系のグローバル・タイムズ(環球時報の英字版)は3月、同作品に対して「政治的偏見に満ちている。受賞すべきでない」と批判する論評記事を出した。

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