/

TSMCトップ「日本の生産コスト非常に高い」株主総会で

台湾TSMCは26日開いた株主総会で、海外進出についてのリスクを強調した=ロイター

【台北=中村裕】半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)は26日、定時株主総会を開き、経営トップの劉徳音董事長は、日本で検討中の半導体生産について「日本の生産コストは台湾に比べて非常に高い」との認識を示した。そのうえで「コストの差を縮められるように顧客と話し合い、積極的に協力していきたい」と述べた。

総会では世界的な半導体不足の長期化を受け、各国の誘致が積極化する海外への工場進出について質問が集中した。劉氏は「各国政府が工場誘致を活発化し、当社の現地生産を望んでいる」との現状を明らかにした。

海外生産は基本的に非効率で、コストが高くなる問題点を指摘。顧客の要求と株主価値を総合的に勘案し、海外進出の可否を判断する必要があるとの認識を強調した。

劉氏はまず米国進出について触れ、「現在建設中の(アリゾナ州の)新工場は大量生産する(利幅の大きい)半導体ではないものの、当社の売上高の7割近くが米国向けだ。重要な顧客サポートのために進出する必要があった」と述べた。

日本で検討を進める工場についても「これも顧客の需要に応えるものだ。日本での生産は非常にコストが高いが、顧客との協力により、当社に利益をもたらしたい。毎週、日本側と協議を続けている」と明らかにした。

欧州進出に関しては「ドイツ政府からの誘いも真剣に検討しているが、やはり重要なのは株主価値と顧客次第だ。今はまだ何かを公表する段階にはない」と述べた。

世界各国が半導体不足に直面し、海外企業の誘致を積極化してサプライチェーン(供給網)を独自につくろうとする動きに、TSMCは慎重姿勢を崩していない。

16日に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の非公式首脳会議でも、台湾代表として参加したTSMC創業者の張忠謀(モリス・チャン)氏が各国にくぎを刺した。米中が敵対し「何千億ドルもの費用と長い年月をかけても、(自国に)完全なサプライチェーンをつくることなどはできない」と指摘した。

劉氏も今回の総会で「張氏のAPECでの発言に完全に同意する。各国政府による(補助金などの)支援で、当社の海外工場の進出問題を解決できるわけではない」とし、台湾での集中生産に改めてこだわりをみせた。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン