韓国GDP、7~9月期0.3%成長 消費に陰り

【ソウル=鈴木壮太郎】韓国銀行(中央銀行)が26日発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比0.3%増え、5四半期連続のプラスとなった。ただ、消費は新型コロナウイルスの感染再拡大でマイナスに転じ、2021年通年での4%成長の予想達成は微妙となった。
7~9月期のGDPの足を引っ張ったのは全体の5割を占める消費だ。前期比0.3%減と、3四半期ぶりにマイナスに転じた。飲食料品など非耐久財は増加したが、飲食や宿泊、娯楽サービスなどの業種で減少した。韓国は7月に入って新型コロナの新規感染者が急増し、9月下旬には1日当たり3000人に迫った。政府による感染抑えこみ策が消費を腰折れさせた。
一方、GDPの4割を占める輸出は前期比1.5%増と、2四半期ぶりにプラスに転じた。石油製品や機械、設備を中心に増加した。
韓国銀は2021年通年で4%成長を予想している。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政相は同日、自身のフェイスブックで「昨年7~9月期から続いてきた急ピッチの景気回復が一部調整を受けた。新型コロナで消費が減少したのが残念だった」と指摘した。「10~12月の景気回復をなし遂げるため、(新型コロナからの)段階的な日常回復を着実に進める」と表明した。