グラブ、タン・フイリン共同創業者が退任へ

【シンガポール=谷繭子】シンガポールの配車大手、グラブは25日、共同創業者のタン・フイリン氏が2023年末までに、取締役と経営に関する役職から退任すると発表した。本人が取締役会で意向を伝えた。退任後も顧問として同社への関与を続ける。
フイリン氏は「今が次世代のリーダーにバトンを渡すのに適切な時期だ」とし、「グラブを築き上げる間、諦めていた個人的な情熱を追い求める」と述べた。
同氏は12年にアンソニー・タン最高経営責任者(CEO)と共同で、マレーシアでグラブの前身となる配車サービス事業を始めた。米マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て15年にグラブに復帰し、22年1月まで最高執行責任者(COO)を務めた。
グラブが21年に米ナスダックに上場した後、同氏は取締役に就任。現在はテクノロジー部門を率いる一方、メンターとして次世代リーダーの育成に取り組んでいる。
グラブは配車や食事宅配、決済や金融などの機能をまとめた「スーパーアプリ」を手掛ける東南アジア最大手。現在、域内8カ国で展開している。