豪ウッドサイド、水素・アンモニア製造施設を建設へ

【シドニー=松本史】オーストラリアのエネルギー最大手ウッドサイド・ペトロリアムは25日、豪西部に水素とアンモニアを製造する施設を建設する計画を明らかにした。最大で一日1500トンの水素を製造し、液化水素やアンモニアとして輸出する。
西オーストラリア州のパース近郊に130ヘクタールの土地を州から賃借し、規制当局の承認などを経て2024年にも建設を始める。水素・アンモニアの輸出とは別に、州内の交通機関などを念頭に水素燃料を補給できる設備の設置も検討し、早ければ23年にも稼働させる。
ウッドサイドは水素製造にあたり、水を電気分解する方法と、天然ガスから水素を取り出す方法を採用する。化石燃料から水素を製造する際に排出される二酸化炭素(CO2)は回収技術などでゼロにする見通しだ。
ウッドサイドは「ノースウェストシェルフ」や「プルート」といった豪州の主要な液化天然ガス(LNG)事業に権益を持ち、両事業でオペレーター(操業主体)も務める。発電時に温暖化ガスを排出する化石燃料への風当たりが世界的に強まるなか、燃焼時に温暖化ガスを出さない水素事業を強化し、次の柱の一つに育成する考えだ。