鴻海EV、1200社と連携 日本電産など部品・ソフト大手

【台北=中村裕】台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は25日、参入準備を進める電気自動車(EV)事業で、同社への協力を表明したサプライヤーが1200社超に達したと明らかにした。ソフトウエアや自動車部品の世界大手が名を連ね、日本からは日本電産などが参加する。米アップルのiPhone生産受託で成長した実績があるだけに、部品メーカーなども高い関心を寄せる。
鴻海は北米と中国に工場を置く方針だ。2023年に量産を始め「25~27年にEV市場で世界シェア10%を獲得する」のが当面の目標だ。
自動車メーカーは通常、開発から生産まで一貫して自社で手掛ける。鴻海は、開発と生産の分業が進むスマートフォン型のビジネスモデルをEV業界に持ち込み、車メーカーが開発した製品の受託生産を狙う。
どういう部品やソフトを組み合わせれば効率よくEVを量産できるか。サプライヤーと連携して開発に着手しており、この枠組みへの参加を表明した企業が25日時点で1200社超になったという。
基幹部品の電池では、鴻海が出資もする世界大手の中国寧徳時代新能源科技(CATL)が参加する。日本からは村田製作所、NTTなども名乗りを上げた。車載用半導体大手の独インフィニオン、クラウド大手のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やマイクロソフトなど米欧の巨大企業も加わった。IT大手の参加は「CASE」と呼ぶ次世代技術の実用化をにらんだものだ。
専門人材の採用も進む。1月にスカウトし、EV事業の最高経営責任者(CEO)に就いた鄭顕聡氏は、米フォード・モーターの中国子会社副総裁や、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA、現ステランティス)の中国トップを務めるなど、自動車業界で40年の経験を持つ。
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