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米中、サイバー攻撃巡り応酬へ 首脳会談巡り間合い探る

バイデン米大統領(左)と中国の習近平国家主席=ロイター

【北京=羽田野主、ワシントン=永沢毅】米国のシャーマン米国務副長官が訪中し、26日に天津市で中国の謝鋒外務次官と会談した。中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相とも話し合う。首脳会談の実現が当面の焦点になる。米国が日欧と連携して非難したサイバー攻撃問題などが新たな火種となりそうだ。

「中米関係が膠着状態に陥り、深刻な困難に直面している根本的な原因は、米国の一部が中国を仮想敵とみなしているからだ」。中国メディアは謝氏がシャーマン氏にこう強調したと伝えた。

2021年1月発足のバイデン政権下で米高官の訪中は4月のケリー大統領特使(気候変動問題担当)が上海を訪問して以来となる。

今回の会談を巡っては米国がシャーマン氏と同格の楽玉成筆頭外務次官との会談を求めたが応じなかったため中止したと一部の英紙が報じた。結局、王氏と謝鋒外務次官がそれぞれ対応することで折り合った。中国外務省は「米国側が繰り返し中国側指導者との会談を希望したためだ」(趙立堅副報道局長)と説明する。

米政府高官はシャーマン氏の訪中について「高官同士のオープンな意思疎通を維持することが大事だ」とみており、10月のイタリアでの20カ国・地域(G20)サミットに合わせた首脳会談の実現可能性を探る。

シャーマン氏は天津に到着後の25日夜、在中国の米企業関係者らとオンラインで意見交換した様子をツイッターで公開した。「中国で直面している困難を直接聞き取った」とコメント。「バイデン米政権は公平な競争環境を中国に強く求めている」と続けた。中国の市場開放が争点になりそうだ。

もうひとつの焦点は、中国によるサイバー攻撃だ。バイデン政権は中国が国家安全省を起点にして米欧日などにサイバー攻撃を仕掛けていると主張する。「中国には責任を負わせる。国際規範に反する行動に代償を支払わせることにちゅうちょしない」。米政府高官はこう対中制裁をちらつかせる。

中国側は「安全部門は非常に敏感で、内部を公開して潔白を証明することはできない。米国は中国に泣き寝入りをさせようとしている」(中国共産党系メディアの環球時報)と反発。対中制裁には対抗措置をとる構えをみせている。

中国側は米中首脳会談にも慎重姿勢を崩していない。王氏は7月上旬に年内に首脳会談を調整する場となる米中外相レベルの会談を開く可能性について「米国に誠意があるかどうかをみる必要がある」と話し、米国の出方を見極める考えを示した。

王氏は24日にもシャーマン氏との会談を前に「米国が対等に他国と付き合うことを知らないのなら、教えてあげるのが中国の責任だ」と強調した。

7月下旬には外国からの制裁への対抗措置を定めた「反外国制裁法」を初めて適用し、ロス前商務長官ら米国の計7個人・組織に制裁を科すと発表した。シャーマン氏の訪中の直前に制裁を発表し、香港問題などで譲歩しない姿勢をみせたとみられる。

一方でロス氏はトランプ前政権の閣僚で、制裁対象にバイデン政権の閣僚は含まれていない。米側への制裁内容も明かしていない。中国側は香港など「核心的利益」を巡って強硬姿勢を示しつつも、バイデン政権とのさらなる関係悪化は回避しようとしている可能性がある。

中国側は会談の場所に天津市を選んだ。中国外務省の趙立堅副報道局長は記者会見で北京から近いことや新型コロナウイルス対策による都合を理由に挙げた。

習近平(シー・ジンピン)指導部は新型コロナの流行が始まって以降、要人の北京訪問は原則として受け入れていない。隔離措置をとりにくく、北京市内での感染再拡大を懸念しているためだとみられる。北京からアクセスしやすい天津市にしたようだ。

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