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文在寅政権・検察 対立さらに、総長が職務復帰

【ソウル=恩地洋介】停職2カ月の執行停止が決まった韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長が25日、職務に復帰した。文在寅(ムン・ジェイン)政権の関与が疑われる事件の捜査指揮を再開する構えで、検察改革を急ぐ政権側との対立が再び激しくなりそうだ。文大統領は同日、一連の混乱を巡り国民に謝罪した。

25日、ソウルの最高検察庁に車で入る尹錫悦検察総長=聯合・共同

尹氏は25日、文氏が懲戒処分を承認してから9日ぶりに、最高検察庁に登庁した。ソウル行政裁判所が判断した懲戒執行停止の仮処分は、尹氏が提起した懲戒取り消し訴訟の一審判決が出た30日後まで有効だ。

文政権は、検察に代わって政府高官らの汚職を捜査する新たな組織「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」を2021年1月に発足させる。検察側は自らの存在意義を誇示するため、文政権に照準を当てた複数の事件捜査を進めようとしている。

焦点は南部の慶州市にある月城原発1号機の廃炉決定を巡る政権の不正疑惑だ。検察は産業通商資源省の局長級幹部ら3人を、監査院の監査に際し400を超える資料のファイルを不正に削除した罪で起訴している。

韓国メディアによると、検察は大統領府の指示の有無に捜査の照準を定めている。原発廃止は文政権の重要政策の一つで、この捜査は政権側が尹氏を懲戒に追い込んだきっかけとなった。

懲戒処分を承認した文氏は裁判所に決定を覆された格好で、世論の批判は不可避となった。文氏は25日、大統領府報道官を通じて「裁判所の決定を尊重する。結果的に国民の不便と混乱を招き、人事権者としておわびする」と謝罪した。

懲戒を主導した秋美愛(チュ・ミエ)法相の立場も一転、窮地に陥った。秋氏は懲戒を決めた16日、法相を辞任する意向を文氏に伝えていた。尹氏を追い詰めた「論功行賞」として、21年4月のソウル市長補欠選挙に出馬するとの見方があったが、微妙になった。

保革の対立も一段と鋭くなりそうだ。革新系与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)代表は25日、「裁判所が尹氏に免罪符を与えたわけではない」とフェイスブックに投稿した。検察改革を後押しする与党は、月内に公捜処トップの人選を強行する方針だ。

保守系大手紙の朝鮮日報は社説で「尹氏への懲戒事由はでたらめで、手続きは不法どころか工作に近かった」と断じ、検察は対政権捜査を進めるべきだと主張した。保守系野党の「国民の力」は秋氏の更迭を求める構えだ。

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