韓国政府、「財団肩代わり」を説明 徴用工訴訟で原告に

【ソウル=恩地洋介】韓国政府が最近、元徴用工訴訟の原告に対し、日本企業の賠償を財団が肩代わりする解決策を説明したことが分かった。原告側関係者が明らかにした。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は早期解決を急ぎたい考えだが、原告は賠償判決の履行を求めている。2018年に判決が確定した三菱重工業訴訟や日本製鉄訴訟の原告は26日に記者会見し、この案への反対を表明する見通しだ。
韓国外務省が検討中の解決策は、韓国政府が過去に設置した公益法人を活用し、被告である日本企業の代わりに原告に賠償金を支払う案だ。財団には韓国鉄鋼大手のポスコの拠出金が入っている。
岸田文雄首相と尹大統領は11月にカンボジアの首都プノンペンで会談した際、元徴用工問題の早期解決をめざす方針で一致した。尹政権は懸案を解決し、日韓関係を改善したい意向だが、国内の調整が難航している。
韓国政府は日本企業による財団への自発的な出資や謝罪など、日本側の歩み寄りも必要との立場。外交当局間でも協議が続いている。
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