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北朝鮮の脅威、新段階に 4月にもICBM再発射か

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【ソウル=恩地洋介】北朝鮮が24日に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の高度は6千キロメートル、飛行時間は71分間といずれも過去最大だった。通常の角度で撃てば、射程は米国本土の全域を収める1万5千キロメートルに達するとの見方がある。安全保障で連携する日米韓3カ国への脅威は新段階に入った。

最近の北朝鮮は「偵察衛星の実験」を口実にミサイル発射を繰り返している。日米韓の防衛当局は、北朝鮮が故金日成主席の生誕記念である4月15日に合わせ再発射を強行する可能性があるとみて警戒している。

24日のミサイルの軌道は2017年11月に発射した「火星15」と似ている。ただ、この時の最高高度は4500キロメートルで、射程は1万2千キロメートル程度とみられていた。24日のICBMがこれを大きく上回ったのは確実だ。

金正恩(キム・ジョンウン)総書記はかねてICBMの性能向上に言及している。21年1月の党大会に示した兵器開発5カ年計画で「1万5千キロメートル射程圏内の戦略的対象を正確に打撃する」という目標を掲げた。

米国をはじめ世界はロシアによるウクライナ侵攻への対応に追われる。北朝鮮は国際社会の混乱に乗じる形で、技術開発を着々と進めようとしている。

最近は2月27日と3月5日にICBM級の弾道ミサイルを発射した。北朝鮮は「偵察衛星」の実験だと主張したが、日米韓当局は新型の「火星17」との見方を強めていた。

16日にも同じ場所から弾道ミサイルを撃ち、高度20キロメートルに達しない段階で空中爆発した。それからわずか8日後の再発射には、射程の長い新型ICBM開発への強いこだわりがうかがえる。

韓国の民間シンクタンク、21世紀軍事研究所の柳成燁情報分析官は「次は4月の故金日成主席の生誕記念行事に先立ち、太平洋に向けて通常角度で撃つ可能性がある」と分析している。

3月11日の朝鮮中央通信によると、金正恩氏は北西部の東倉里(トンチャンリ)にある衛星発射場を訪れ、軍事偵察衛星を運ぶ大型ロケットを打ち上げるために施設を拡張するよう指示した。

韓国国防省はさらに、北東部にある豊渓里(プンゲリ)の核実験場では18年に爆破した坑道の一部を復旧するような動きがみられると説明している。金正恩氏は米国のトランプ前政権との対話に乗り出した18年にICBM発射実験と核実験の中断を宣言した。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は24日に開催した国家安全保障会議(NSC)で「金正恩氏が国際社会に約束したICBMの発射猶予を自ら破棄し、国連安全保障理事会の決議に違反した」と非難した。韓国軍は同日、北朝鮮への反撃を想定し、地対地ミサイルなどを日本海に向けて発射した。

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