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中国人民元、12月の決済シェア4位 6年4カ月ぶり円抜く

【北京=川手伊織】世界の投資や貿易に伴う資金決済の通貨として、中国の人民元が2021年12月、日本円を抜いて世界4位になった。元の切り下げで取引が急増した15年8月以来、6年4カ月ぶりだ。人民元高の傾向が続くなか、海外から元建て債券への投資が伸びていることなどが背景にある。

銀行間の国際的な決済ネットワークである「国際銀行間通信協会」(SWIFT)の調べで明らかになった。12月の通貨別決済シェアで人民元は2.70%。2.58%だった日本円を逆転した。ドル(40.51%)、ユーロ(36.65%)、英ポンド(5.89%)に次ぐ。

人民元は長らく5~6位で推移してきた。新型コロナウイルスの感染が広がる前の19年12月(1.94%)と比べると、シェアは0.8ポイントほど高まった。21年12月の比率は15年8月以来の大きさとなった。

投資と貿易の両面で人民元の需要が高まっている。

内外の金利差や中国政府の金融開放をうけ、海外投資家が元建て債券の投資を増やしてきた。香港経由で中国の債券を売買できる「債券通(ボンドコネクト)」などを利用した外国人の元建て債券は21年末時点で、4兆元(約72兆円)を超え、1年で23%増えた。

英指数算出会社のFTSEラッセルが21年10月末、代表的な国債指数に中国国債を段階的に組み入れ始めたことも中国への資金流入を促す一因になっている。

21年は輸出から輸入を差し引いた貿易黒字も過去最大となった。中国国家外貨管理局によると、企業や個人が21年12月に中国の銀行口座を通じて外貨から人民元に両替した額も、遡れる01年以降で最大を記録した。

新型コロナで新興国のサプライチェーン(供給網)が混乱し、一部の部材や製品の発注が中国企業に集中する事態が起きた。「欧州企業が中国からの部品を優先配分してもらうため、輸入代金を元建てで前払いした」(外資系銀行の担当者)との指摘もある。

SWIFTはユーロ圏内の取引を除いた決済比率も公表している。これによると人民元は1.91%と世界6位となり、日本円やカナダドルを下回る。人民元による決済が欧州で比較的活発であることを示す。中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」の沿線国が欧州にも広がり、域内の元建て取引が増えた可能性がある。

人民元と対照的に日本円の地位は低下している。世界全体の決済で使われる割合は19年12月の3.46%から下がった。

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