/

ベトナム1~3月期 4.48%成長 対米輸出好調

ドン高圧力で景気下振れリスクも

ベトナムは輸出主導でプラス成長を続けている(ホーチミン市)=AP

【ハノイ=大西智也】ベトナム統計総局が29日発表した1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4.48%増となった。同国は新型コロナウイルスの感染拡大を基本的に抑え込んでおり、底堅い成長を続けている。スマートフォンやパソコンなど最大の輸出国である米国向けの輸出が33%増えたことが成長をけん引した。

成長率は2020年10~12月期の4.48%と同じ水準だった。1月以降、北部の一部地域でクラスター(感染者集団)が発生した影響で、政府予想(5.12%)をやや下回った。アジア開発銀行(ADB)は21年通年のベトナムの成長率見通しを6.1%としている。20年通年は2.91%でコロナ禍でもプラス成長を続けてきた。

成長をけん引するのは全輸出額の約3割を占める米国向けの輸出だ。中国に生産拠点を置く企業が米中貿易戦争の影響を避けるため、ベトナムに生産拠点を移す動きが続いている。コロナの抑え込みで工場の稼働が安定していることもプラスに働いている。1~3月期の輸出全体を770億ドル(約8兆4300億円、前年同期比で22%増)に押し上げた。

製品別では、スマホ関連の輸出が引き続き好調で9%増えた。ベトナムの全輸出額の約2割を占める韓国サムスン電子は北部に2カ所のスマホ工場を持ち、世界生産の半分を生産している。ハノイ中心部で大規模な研究所も建設中で、投資を増やしている。

足元の経済は好調ながら、懸念材料は米国との関係だ。ベトナムは20年12月に米財務省から為替操作国に認定された。米中貿易戦争の影響などで対米輸出が膨らんだ結果、対ベトナムのモノの米貿易赤字は20年通年で約700億ドルに膨らんだ。国別で中国、メキシコに次いで3番目の規模だ。

米長期金利の上昇で、ベトナムドンの対米ドルレートはややドン安方向に振れているが、バイデン政権もベトナムに貿易不均衡の是正を迫っている。ベトナムは制裁関税の適用を回避しているが、米国からのドン高圧力は続くとみられている。日本総合研究所の塚田雄太副主任研究員は「1%のドン高は輸出を1.2%下押しする」と指摘しており、米国の出方によっては景気の下振れリスクが残る。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 休業・補償 ビジネス 国内 海外 感染状況

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン