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金正恩氏、首脳交渉を再三催促 トランプ氏との書簡で

韓国専門誌が近く全文公開

【ソウル=恩地洋介】韓国メディアは25日、米国のトランプ前大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記がやりとりした書簡27通の詳細を報じた。金正恩氏はトランプ氏との直接対話を一貫して望み、敵視政策の見直しをトップダウンで決定するよう促した。

トランプ、金正恩の両首脳は2018年6月と19年2月、同年6月の3回にわたって会談した。この間に両氏が送り合った書簡を韓国の記者団体が入手し、外交安保専門誌が近く全文を掲載する。

「世界が予想もできなかった偉業を達成するため、真心と身を尽くして閣下と協力する準備ができている」。史上初の米朝首脳会談の開催が決まった後、金正恩氏は書簡でトランプ氏の歓心をひき付ける麗句を並べた。

両首脳が署名した18年6月のシンガポール共同声明で、北朝鮮側は朝鮮半島の非核化を約束した。しかしその後、実務者による交渉が進まず、相互不信が広がる。

トランプ氏は7月の書簡で、金正恩氏が廃棄を約束した東倉里(トンチャンリ)のミサイルエンジン試験場に専門家が入れるようにしてほしいと求めた。金正恩氏はこれに「期待していた終戦宣言がないのは残念だ」と応じた。

トランプ氏が調整中だったポンペオ国務長官の平壌訪問を取り消すと、金正恩氏はあからさまに首脳間交渉を迫るようになる。

金正恩氏は9月の書簡で「卓越した政治感覚を生まれ持った閣下と直接会いたい」と再会談を望んだ。「米国が段階的な方式で実質的な措置と行動をとるなら、非核化問題の重大な進展につながるだろう」と記し、取引に動く可能性をにおわせた。

「米朝の仲介役」を自任した韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対し、金正恩氏が露骨に不快感を示す書簡もあった。

9月19日に平壌で開いた南北首脳会談で、金正恩氏は米国の「相応の措置」を条件に、寧辺(ニョンビョン)核施設を廃棄する用意があると表明した。しかし、直後の書簡では「今後は文在寅大統領ではなく閣下と非核化問題を議論したい。文大統領が示す過度な関心は不必要だ」と記した。

米朝両首脳の交渉は、ハノイで開いた2回目の会談で物別れに終わった。金正恩氏は寧辺核施設の廃棄と引き換えにトランプ氏から経済制裁の解除を引き出そうとしたが、失敗した。

打開の展望が描けぬまま両首脳は19年6月、南北の軍事境界線にある板門店で3回目の会談をした。実務者交渉の再開で合意はしたが、米国が夏の米韓合同軍事演習の実施を決めると、北朝鮮はミサイル発射を繰り返して猛反発した。

金正恩氏は長文の書簡を送りトランプ氏をなじった。「私は実務者交渉に先立ち、軍事演習が中止か延期になると信じていた。会談後に何が変わったのか、人民にどう説明すればいいのか?」と不満を書き連ね、こう結んだ。「今は実務者級で対話する時期ではない。戦争演習が終わる時にもう一度連絡をください」

ストックホルムで10月5日に開いた実務者協議で、北朝鮮側は一方的に交渉決裂を宣言。新型弾道ミサイルの発射実験を本格化させる局面に入っていった。

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金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。

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