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スー・チー氏、弁護団と初面会 「民衆いる限り党存続」

弁護団はスー・チー氏との対面での面会を再三求めてきた(写真は2018年の来日時)

【ヤンゴン=新田裕一】軟禁が続くミャンマーの民主化指導者アウン・サン・スー・チー氏は24日、首都ネピドーの裁判所に初めて対面形式で出廷した。弁護団によると、クーデター後初めて弁護団とも直接面会した。党首を務める政党、国民民主連盟(NLD)について「民衆のためにつくられた党であり、民衆がいる限り党は存続する」と弁護団を通じ述べた。

国軍がクーデター後に任命した選挙管理委員会は21日、政党関係者を集めた会合で、NLDを解党させる考えを示唆していた。

弁護団は、開廷前に約30分間、当局者の立ち会いなしでスー・チー氏と会った。2月中旬の裁判開始から3カ月以上たつが、直接の面会は今回が初めて。面会した弁護士によると、グレーの民族衣装を着用し「血色はよく、健康そうだった」という。

弁護団によると、スー・チー氏は新聞やテレビへの接触を絶たれているが、警察官との雑談を通じ、国内の情勢について部分的に把握しているようだ。国軍に抵抗する民主派勢力が設立した「連邦議会代表委員会(CRPH)」や「挙国一致政府(NUG)」といった組織の存在も知っていたという。

審理はネピドーのスー・チー氏の自宅近くに裁判所が設けた特別法廷で行われた。従来、スー・チー氏は軟禁先の自宅からビデオ会議で審理に参加していた。

スー・チー氏は2月に起きた国軍のクーデターで拘束され、これまでに無線機を違法に輸入した輸出入法違反など6件の容疑で訴追された。訴追容疑のうち刑期が最も重いのは国家機密法違反で、最長禁錮14年となる可能性がある。

弁護団はスー・チー氏との対面での面会を再三求めてきた。3月末にはビデオ会議での接触が許されたが、双方に当局者の監視がつき、弁護団を率いるキン・マウン・ゾー弁護士は「被告人としての基本的な権利が守られていない」と当局を批判していた。

3カ月にわたり弁護団との面会を認めなかったのは、スー・チー氏の肉声が伝われば民主派を勢いづかせる可能性があるためだ。同氏は英国からの独立闘争を主導したアウン・サン将軍の娘で、国民の「母」として圧倒的な人気がある。

国軍のゾー・ミン・トゥン報道官は4月、ロシアの報道メディアのインタビューで「抗議デモのリーダーが弁護士を通じて(スー・チー氏との)接触を図っているとの情報を得た。秘密裏に指示を得ようとしているのかもしれない」として「安全保障上の理由で今は会わせられない」と語っていた。

国軍はNLDが大勝した2020年11月の総選挙で大規模な不正があったと主張。発令中の非常事態宣言の解除後に再度総選挙を行い、勝利した政党に政権を渡すとしている。総選挙で議席を減らした国軍系政党の連邦団結発展党(USDP)を復活させ、形式的な「民主主義」のもとで実権を維持するシナリオを描いているとみられる。

現地メディアによると、国軍はクーデター直後の21年2月4日、総司令官と副司令官の定年を撤廃した。クーデターを起こしたミン・アウン・フライン総司令官は7月に65歳の定年を迎えるはずだった。最高権力者として国軍トップの座にとどまり、総選挙後に大統領就任を狙うとの見方がある。

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ミャンマー国軍は2021年2月1日、全土に非常事態を宣言し、国家の全権を掌握したと表明しました。 アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政権を転覆したクーデター。なぜ起きたのでしょうか。 最新ニュースはこちら。

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