北朝鮮、前線部隊に「重要任務」 戦術核の運用念頭か

【ソウル=甲原潤之介】北朝鮮の朝鮮中央通信は24日、朝鮮労働党中央軍事委員会の拡大会議を21~23日に開いたと報じた。朝鮮人民軍の前線部隊の作戦任務に「重要軍事行動計画」を追加することを承認した。韓国メディアは軍事拠点への攻撃に限定的に核を使う「戦術核」の運用に向けた計画だと分析している。
朝鮮中央通信によると、金正恩(キム・ジョンウン)総書記は会議で「いかなる敵も圧勝する強力な自衛力を持つことで祖国の尊厳と人民の安寧を守らなければならない」と述べた。
戦術核や核実験に関する具体的な報道はなかった。北朝鮮は4月に短距離ミサイルを発射した際に「戦術核の運用」だと主張した。7回目の核実験の準備を終えたとの観測もある。今回の行動計画も韓国内の軍事施設などを狙う核攻撃力の整備の一環とみられる。
党中央軍事委の副委員長に新たに核・ミサイル開発を主導してきた李炳哲(リ・ビョンチョル)党書記を充て、朴正天(パク・ジョンチョン)党書記と2人体制にする人事も決まった。

金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。