北朝鮮、23日に巡航ミサイル発射訓練「2000キロ飛行」

【ソウル=甲原潤之介】北朝鮮の朝鮮中央通信は24日、北朝鮮軍が23日未明に巡航ミサイルの発射訓練を実施したと報じた。北部の咸鏡北道から4発を撃ち、楕円や8の字の軌道を描いて2000キロメートル飛行したとしている。核戦力の態勢を確かめる訓練と主張した。
巡航ミサイルは「ファサル2」の名称で紹介され、「核抑止力の重要構成部分のひとつ」と位置づけた。核弾頭の搭載を想定している可能性がある。「敵対勢力に対する核反撃能力を強化している共和国(北朝鮮)の核戦力の臨戦態勢を示した」と訴えた。
米国と韓国は22日、ワシントンで北朝鮮の核使用を想定した机上演習を実施した。米国は核兵器を含む戦力で同盟国を守る「拡大抑止」の強化を掲げる。北朝鮮はこれに対抗し、巡航ミサイルの戦力化を誇示する意図があるとみられる。
巡航ミサイルは弾道ミサイルより速度が遅いが、迎撃を避けながら複雑な軌道で飛ぶ特徴がある。北朝鮮は22年にも巡航ミサイルを複数回発射した。北朝鮮から2000キロメートルの範囲には在日米軍基地が集中する沖縄や日本海、東シナ海などが収まる。

金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。