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インド高官、ミャンマー国軍トップと面会 中国に対抗か

(更新)

【ヤンゴン=新田裕一】インドのシュリングラ外務次官はミャンマーの最大都市ヤンゴンで23日、クーデターで全権を掌握したミンアウンフライン国軍総司令官と会談した。ミャンマーが国際社会で孤立するなか、中国の影響力が拡大する懸念があり、インドとしてもミャンマーへの影響力を失わないように国軍との一定の関係を維持する思惑がありそうだ。

インド外務省の声明によると、シュリングラ氏はミャンマーが早期に民主的な体制に復帰し、拘束された政治犯を釈放することなどを働きかけた。クーデターで拘束された民主化指導者アウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)の関係者とも面会したという。

インド国境に近いミャンマー北西部では武装抵抗する民主派と国軍が激しく衝突し、推計1万5000人の住民がインド側に逃れたとされる。シュリングラ氏は双方が暴力を停止し、国境地帯の安定を回復することが必要だと述べた。

一方で、インド政府の支援で進めるミャンマー西部のインド洋沿岸とインドの北東部をつなぐ港湾や道路のインフラ整備は、従来通り推進する立場を強調した。100万回分の新型コロナウイルスのワクチン供与や食料支援も表明した。政治アナリストのミンゾーウー氏は「(インド政府は)国軍がミャンマーの実質的な統治者だとみなしている」と分析する。

こうしたインドの立場の背景には、中国のミャンマーへの影響力が増すことへの警戒感があるとみられる。ミャンマーのインド洋沿岸では、中国の主導で大規模港湾と経済特区を開発する計画がある。中国は国境のミャンマー側の少数民族武装勢力ともつながり、ミャンマーの内政や治安維持に深く関わる。

インドはこれまでも軍事・経済の両面でミャンマーとの協力関係の構築を進め、中国に対抗してきた。2020年にはミャンマー海軍に対し、同国初の潜水艦を供与した。

ミャンマーの政変後、国際社会は東南アジア諸国連合(ASEAN)に事態打開を期待してきた。だがASEAN特使のミャンマー訪問は実現せず、10月の首脳会議へのミンアウンフライン氏の出席を拒否するなど、膠着状態が続く。「ASEANの取り組みが手詰まりになるなか、インドはしびれを切らしつつあるのではないか」(外交筋)との見方もある。

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