習氏、党大会で「領袖」称号か 権威確立が狙い 香港紙

【北京=羽田野主】香港紙の明報は23日付紙面で、中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)が今秋の党大会で、建国の父、毛沢東らに並ぶ「領袖」の称号を獲得する可能性を伝えた。3期目をめざす習氏が権威を確立するためと指摘している。
明報によると、共産党幹部の人事を決める5年に1度の党大会で、習氏を「領袖」に位置づけることで党内の結束を促し、国内外の情勢の変化に対応すべきだとの意見が党内から出されているという。
党の歴史で「偉大な領袖」と認定されたのは毛ひとりだ。毛のあとを継いだ華国鋒は「英明な領袖」と呼称されたものの、短命の政権に終わった。
領袖の称号の獲得には党で禁止される個人崇拝につながるとの懸念もくすぶる。2018年には中国共産党の機関紙、人民日報が習氏を「人民の領袖」と伝えたが、党内で異論がでたとの指摘もある。党大会まで曲折がありそうだ。
習氏は2016年に党内で「核心」の称号を獲得している。改革開放を進めた鄧小平が使い始めた呼び方で、毛や鄧、江沢民(ジアン・ズォーミン)元総書記を「核心」とした。鄧の改革開放路線と距離を置く習氏にとって「領袖」の称号は「鄧小平超え」を意味するととらえている可能性がある。