胡錦濤氏の途中退席、「体調不良」と国営メディア報道
【大連=渡辺伸】22日に開かれた中国共産党大会の閉幕式で、胡錦濤前総書記(79)が途中退席したことを巡り、国営の新華社は同日夜、体調不良が原因だとツイッターに投稿した。党大会の公式行事での途中退席は異例。党人事に不満があったなどと臆測を呼んだため、火消しを図った可能性がある。
新華社は英語で「胡氏は最近、療養の時間をとっているが、党大会の閉幕式に出席すると主張した」と投稿。「式の間に体調が悪くなり、スタッフが会場の隣の部屋で休ませた。今は、だいぶ良くなった」と伝えた。
習近平(シー・ジンピン)総書記の左隣に座った胡氏は党規約改正の決議案などが採決される前に、スタッフに腕をつかまれて退場した。「退席を拒んでいるようなそぶりがあった」との見方もある。
今回の党大会で、李克強首相は指導部からの引退が決まり、胡春華副首相も党序列上位24人の政治局員から外れた。李氏、胡春華氏ともに、胡錦濤氏と同じく共産主義青年団(共青団)出身。胡氏の途中退席は一連の党人事への不満があったなどと臆測を呼んだ。
ツイッターは中国では原則として閲覧できず、新華社の情報発信は主に海外に向けたものだ。中国メディアは胡氏が途中退席したニュースを報じず、国内のSNS(交流サイト)にも流れていない。
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