/

「聞いた話と違う」米中外交トップ会談、冒頭発言全文(下)

異例の応酬は米中対立の深刻さを印象づけた(18日、米アラスカ州アンカレジ)=ロイター

18日に米アラスカ州で開かれたブリンケン米国務長官と中国の外交担当トップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員らの会談では、双方が相手の冒頭発言への反論を繰り返す展開になった。ブリンケン氏は退室しようとした報道陣を呼び止め、米国の立場の正当性を強調。楊氏は米側が外交儀礼に反していると強く反発した。米国務省が発表した会談のやりとりの後半部分の和訳は次の通り。

ブリンケン氏「日韓で聞いたのと異なる」

ブリンケン氏 「楊政治局員、王国務委員、あなた方の発言を受けて私自身からも少し補足する。サリバン大統領補佐官も同様に言いたいことがあると思う。私が国務長官になって日も浅いが伝えなければいけないことがある。私はすでに世界中の百人近いカウンターパートと話してきた。そして最初の外遊先を日本と韓国にした。私はあなたが説明したこととかなり異なることをうかがっていると言わなければならない」

「米国が(協調重視に)戻り、同盟国やパートナーと再び関与していることに深い満足感を覚えたと聞いている。中国政府による多くの行為に対する深い懸念も聞いており、我々はそれらについて(会談で)議論する機会を持つだろう。世界における米国のリーダーシップや関与のあり方は、自発的に構築された同盟関係やパートナーシップであることに特徴がある。それこそがバイデン大統領が再び活性化すると約束したものだ。国内におけるリーダーシップにはもう一つの特徴がある。より完全な結束を作り上げるための絶え間なき探求だ。探求とは定義上、不完全さを認め、誤りをおかすことを認め、失敗や後退を認めることだ。しかし、我々が歴史を通じてなし得たことは課題にオープンかつ透明性を持って立ち向かうことであり、課題を無視したり課題が存在しないかのように偽ったり、カーペットの下に隠したりすることではない。時には痛みを伴い、時には醜いかもしれない。しかし毎回、我々は国としてより強固で、より良く、より結束する結果となった。バイデン大統領が副大統領として中国を訪れた時のことをよく覚えている。金融危機の直後であり、当時は国家副主席だった習近平氏との会談を含めて多くの議論があった。バイデン氏はそのとき、米国が負けるほうに賭けることは決してよくないと言った。それは今なお正しい」

サリバン氏「自信ある国は自ら欠点を改善できる」

サリバン氏 「手短にブリンケン氏の発言に付け加えたい。なぜなら、私も同じ点を相談するまでもなく発言しようと考えていたからだ。自信を持った国は自身の欠点をよく見て絶えず改善することができる。それが米国の(成功の)秘訣だ。もう一つの米国の秘訣は、米国民が自ら問題を解決しようとする国民であり、世界中の同盟国やパートナーとともに取り組むことで問題を解決できると信じていることだ」

「ちょうど数週間前、米国は探査機を火星に着陸させたが、これは米国単独のプロジェクトではなく、欧州やその他の地域を含む国々の技術が加わったものだ。火星に試料を残す予定で、米国と欧州がそれを回収して地球に持ち帰るための装置を開発する。これは絶えず自らを改革し、他者と緊密に協力し、私たち全員に利益をもたらすような進歩を生み出すことを絶えず追求し、世界のすべての男性、女性、子供が目指す人間の尊厳と人権の概念に根ざしている国によって達成できることだ」

「今日の対話を楽しみにしているが、この対話が双方の信頼をもって実施されることを願う。これは講義でもないし長く回りくどい声明でもない。我々の考えを説明し、あなた方の考えを聞き、我々の原則、優先事項、そして長期的な戦略が何であるかを示す機会だ。それこそが今後の対話で我々が望んでいることであり、我々はそのような精神で取り組んでいる。今日も議論し続けることを楽しみにしている。皆さんありがとう」

楊氏「米国を良く考えすぎていた」

楊氏 「私が間違っていた。この部屋に入った際に、互いの冒頭発言のトーンに注意するよう米国側に念押しすべきだったが、そうしなかった。米国側の論調が原因で、中国側はこのようにスピーチすることを強いられた。これは米国の意図ではないのか。あなた方の冒頭発言での論調から判断すれば、強者の立場から中国を見下す形で話したいということなのか。これは入念に準備され、計画されていたのか。このような形で対話することを望んでいたのか。我々は米国のことを良く考えすぎていた。我々は米国側が必要とされる外交儀礼には従うものだと思っていた。我々は中国の立場を明確にすることが必要だった」

「中国陣営の前で私はこう言いたい。米国は中国に対して強者の立場から話す資格は持っていない。20年前、30年前ですら米国側にはそのようなことを言う資格はなかった。なぜならそれは中国人民と付き合ううえでのやり方ではないからだ。もし米国が適切に中国側と交渉をしたいのならば、必要な儀礼に従って正しいことをすべきだ」

「協力は双方に利益をもたらす。これは世界中の人々が期待するものだ。米国の国民は確かに素晴らしい人々だが、それは中国の人民も同様だ。中国の人民がこれほど過去に外国から苦しめられたことはあっただろうか。中国が外国の国々に包囲され始めて以来、その点についてはなんとも言えなくなっている。中国のシステムが中国人の知恵とともに正しいものである限り、中国の首を締めることはできない。もしある国が中国の人民の首を絞めたり抑圧したりしようとすれば、その国自身に害が及ぶことになると我々の歴史は示している。米国は欧州とともに他の惑星に降り立った連携について話しているが、中国は同様の連携を米国が中国と実行するつもりであれば歓迎するだろう。ここでやめておく。王国務委員、なにか補足がありますか」

王氏「中国への非難は正しくない」

王氏 「ブリンケン国務長官、サリバン大統領補佐官、あなたがたはブリンケン氏が最近2カ国を訪問した際、その2カ国が中国による威圧について言及したと語った。我々はそれがそれらの国々から直接寄せられた不満なのか、単なる米国単独の見解にすぎないのか判別がつかない。国家間の関係を考えていくときには、中国と米国、中国と日本、中国とオーストラリアとの(個別の)関係を取り上げるものだ。私はあらゆる場合において各国がそれぞれの課題を持ち、異なる立場が関わっているため、国々をひとまとめにみても何かわかるということはないと思う。では彼らが関連する見解を中国に伝えるより前に、中国が威圧していると非難するのは正しい行動だろうか。もちろん正しくない」

「もし米国が同盟国やパートナーだという理由だけでそれらの国々のために抗議したり肩を持ったりするなら、国際関係の正しい発展は長期的により難しいものになるだろう。我々は、どの国も他国について威圧的だと非難するほど怒りっぽくなる必要はないと思っている。誰が誰を威圧しているのだろうか。歴史や国際社会がいずれ結論を出すと思う」

「ただ、もし米国が中国との議論に関心を持っているなら、我々は米側と話し合う準備はできている。もっとも(議論は)これらの問題について互いに理解を深めることを可能にする相互尊重の精神に基づくものであるべきだ」

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン