上海市、外出制限を再び厳格化 感染増加地域で

【上海=松田直樹】新型コロナウイルス感染拡大で都市封鎖(ロックダウン)が続いている中国・上海市は外出制限などを再び厳格化する。新規感染者の少ない区画では段階的に外出制限を緩める方針を示していたが、方針を部分的に撤回。感染が深刻な地域ではPCR検査を改めて徹底する。感染収束が見通せない状況が続いている。
21日の上海市の市中の新規感染者数(含む無症状)は1万7629人だった。増加ペースは鈍り始めたが、依然として高止まりが続いている。市当局は新規感染者が増加している西部の一部地域などで21日から外出を禁止した。
11日発表したばかりの従来方針では集合住宅など区画ごとに細かく感染状況を監視し、新規感染者が14日間ゼロの区画に住む市民は外出できるようにすると説明していた。感染抑制が進まないため一部撤回した。
感染が深刻な地域でPCR検査体制も強化する。ネット通販などの配達員には毎日のPCR検査と、1日に2回の抗原検査を義務づける。配達員が不足するなか、厳しい検査体制は物流混乱を招く可能性がある。