BHP、銅・ニッケル企業買収で合意 8500億円規模
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【シドニー=松本史】豪英資源大手BHPグループは22日、オーストラリアの銅・ニッケル企業OZミネラルズの全株式を取得することで同社と合意したと発表した。買収額は96億豪ドル(約8500億円)。BHPは車載電池に使われるニッケルや電化に不可欠な銅事業の強化を進める。
BHPは8月、OZに対して1株当たり25豪ドルでの全株取得を提案したがOZ側が企業価値を正当に評価していないとして拒否した。BHPは11月に提案額を28.25豪ドルに引き上げ、OZも応じる姿勢を示していた。
28.25豪ドルは、最初の提案を行った8月5日時点のOZ株の終値を49%上回る。大型買収の背景にあるのは、世界的な脱炭素の流れの中でBHPが進める資産構成の見直しだ。同社は1月に南米コロンビアの発電用石炭の炭鉱権益を、6月には石油・ガス事業の売却を完了している。
化石燃料の切り離しに一定のメドをつけるなか、今後は「未来志向」と位置付ける銅やニッケルへの投資を加速させる。特に電気自動車(EV)電池に使われるニッケルは買収だけでなく、自社で新規鉱山の探査も行う見通しだ。
BHPのマイク・ヘンリー最高経営責任者(CEO)は22日の声明で「両社の資産や技術、専門知識を組み合わせれば、個別の企業としては得られない特別な機会が生まれる」と強調した。
OZは南オーストラリア州を地盤とし、豪州やブラジルに銅やニッケル鉱山を保有する。BHPが同州に保有する銅鉱山オリンピック・ダム近くに鉱山があることから、銅生産の相乗効果などを見込む。
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