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「バイデン政権と関係強化」ASEAN外相会議声明

(更新)
新型コロナの感染拡大が続く中、ASEANはオンラインで外相会議を開いた(マレーシア政府提供)

【シンガポール=中野貴司】東南アジア諸国連合(ASEAN)は21日、オンラインで外相会議を開いた。会合後に議長国のブルネイが発表した声明には「米国との戦略的なパートナーシップをさらに強化するため、バイデン新政権と協働していきたい」との表現を盛り込んだ。トランプ前米大統領は東アジア首脳会議を4年連続して欠席するなどASEAN軽視の姿勢が目立っていたこともあり、新政権への期待を明確に打ち出した。

声明は「多国間主義や国際協力を促進するため(バイデン政権と)協力していきたい」と説明。世界経済の回復や新型コロナウイルスの抑制でも協働する意向を示した。「米国の指導者との次回の会合を楽しみにしている」とも指摘し、バイデン米大統領のASEAN関連会合への出席に期待を示した。

南シナ海問題については、中国を念頭に「地域の平和や安定を損ない、緊張を高める埋め立てや深刻な出来事に対し、複数の外相から懸念が示された」との表現を盛り込んだ。20年9月のASEAN外相会議の共同声明の内容を踏襲した。

21日の外相会議は21年の議長国を務めるブルネイが仕切る初の主要会合となった。20年の議長国だったベトナムは中国と一定の距離を保っており、小国のブルネイに代わることで、中国の影響力が強まるとの懸念もあった。21日の声明は20年の声明と継続性を維持し、ひとまず懸念は払拭された。シンガポール元外務次官のビラハリ・カウシカン氏は「ブルネイは議長国としての経験も豊富で、ASEANの共通認識を適切に反映し、中国寄りにも反中国にもならないだろう」と予測する。

米中双方と等距離を維持したいASEANは、バイデン政権が安全保障や外交面でインド太平洋地域への関与を強め、中国の影響力の過度の拡大に歯止めをかける役割を期待している。バイデン氏は「インド太平洋調整官」ポストをホワイトハウスに新設し、カート・キャンベル元米国務次官補を起用する。シンガポール国際問題研究所のサイモン・テイ会長は「(東アジア首脳会議が開かれる)21年末に向けてバイデン政権はASEANへの関与を強めていくはずだ」と指摘する。ASEANは首脳の出席を重視しており、バイデン氏がASEAN関連会議に出席し、前任のトランプ氏との違いを印象づけられるかが焦点となる。

21日の外相会議では、新型コロナのワクチンがASEAN各国の国民に平等に行き渡るよう協力することでも一致した。イスラム系少数民族ロヒンギャの問題については、声明で「ミャンマー政府の継続的な努力を歓迎する」など穏当な表現で言及するにとどめた。

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