インド財閥アダニ、東部州で1680億円投資 10年計画

【コルカタ=花田亮輔】インド東部の西ベンガル州コルカタで20~21日、投資誘致イベント「ベンガル・グローバル・ビジネス・サミット」が開催された。エネルギーやインフラ開発を手がける財閥アダニ・グループのトップは同州で新たに1000億ルピー(約1680億円)を投資していく方針を示した。現地事業の拡大に向けて、インド企業との提携を発表する日本企業もあった。
アダニ・グループを率いるゴータム・アダニ氏は20日の講演で、同州に対して「今後10年で合計1000億ルピーを投資する」と語った。港湾開発などに意欲を示しているほか、食用油を手がけるアダニ・ウィルマーが同州で工場を運営している。間接的な投資も含めて「2万5000人以上の雇用をつくり出す」と述べた。アダニはこれまで、モディ首相のお膝元である西部グジャラート州を中心に事業を拡大してきた。
インドで電動三輪車などを販売するテラモーターズ(東京・千代田)はイベントに合わせて、交換式の車載電池を開発するサン・モビリティーとの提携を発表した。同社の電池に対応した電動二輪・三輪車を発売し、共同で電池の交換拠点を整備していく。テラモーターズの上田晃裕社長は提携により「電動三輪などの使い勝手を高めていきたい」と語った。
西ベンガル州政府が主催するベンガル・グローバル・ビジネス・サミットは、今回が6回目。日本関連のセッションも開かれ、鈴木哲駐インド大使や総合商社の支店長らが同州における日本企業の取り組みなどについて説明した。
西ベンガル州は「インドとバングラデシュ、ネパールなどの連結点」(インド三井物産の本田毅コルカタ支店長)としての可能性を秘めるが、製造業の拠点が多い北部ハリヤナ州などに比べると日本企業の進出は限られている。