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民主派香港紙、発行停止を検討 言論封殺を象徴

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【香港=木原雄士】中国共産党に批判的な香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)が21日、発行を停止する検討に入った。同紙を発行する壱伝媒(ネクスト・デジタル)は同日、取締役会を開き、当局に資産凍結の解除を求める方針を決めた。凍結が解除されなければ25日に事業の停止を決める方向だ。

アップル・デイリーが事業停止に追い込まれる可能性が高まった

同紙幹部や法人としての同社が香港国家安全維持法違反罪で相次いで起訴され、当局に一部の資産を凍結された。これ以上、事業の存続が困難との判断に傾いている。7月の中国共産党創立100年が迫る中、香港の言論封殺を象徴する動きといえる。

複数の香港メディアは21日、同社従業員の離職が相次いでおり、早ければ23日にも前倒しで事業停止に追い込まれる可能性があるとの見方を報じた。

同紙をめぐっては創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏が抗議活動に絡む実刑判決を受けて服役中。黎氏に加え、今月に入って壱伝媒の張剣虹・最高経営責任者(CEO)や羅偉光・編集長、関連法人3社が国家安全法違反罪で起訴された。

香港当局は関連3社の資産を凍結し、銀行などに資産を動かすと違法行為とみなすと警告した。同社の運営を支援するいかなる動きも国家安全法違反になり得ると強くけん制した。

蘋果日報は香港で民主派支持を鮮明にするほぼ唯一の日刊紙。中国当局は民主派に影響力を持つ黎氏を繰り返し批判してきた。香港警察は今月、500人態勢で同社を捜索し、パソコン40台とサーバー16台を押収するなど圧力を強めていた。

当局が資産凍結解除に応じる可能性は低いとみられる。黎氏の顧問を務めるマーク・サイモン氏はロイター通信の取材に「今月末まで持ちこたえられると考えていたが、状況はますます厳しくなっている。数日の問題だ」と述べた。

香港は「一国二制度」のもと、言論や報道の自由が保障されてきた。蘋果日報はその象徴的な存在で、国家安全法によって事業停止に追い込まれれば、中国による抑圧ぶりを内外に印象づけることになる。

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