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マレーシア首相にアンワル氏が就任 連立政権樹立へ

(更新)

【クアラルンプール=中野貴司】マレーシアのアンワル元副首相は24日午後にクアラルンプールの王宮で開かれた宣誓式を経て、第10代首相に就任した。第三勢力の国民戦線や地域政党と連立政権を樹立し、早期に組閣に着手する。

アンワル氏が率いる野党の希望連盟は19日投開票の下院選(定数222)で最大の82議席を獲得した。その後、国王の大連立内閣樹立の提案も踏まえ、国民戦線やボルネオ島の地域政党と連立構築の交渉を続けてきた。24日までに過半数を確保し、国王が同日、アンワル氏を首相に任命した。

アンワル氏は首相就任後の会見で「(政治や社会の)安定を確保し、経済に集中する」と強調した。「この政権は挙国一致内閣だ」として、汚職の排除などの主要方針で同意すれば、首相選びで争った国民同盟なども受け入れる可能性を示唆した。「中国は重要な周辺国だ」とも述べ、中国との関係を重視する姿勢も明らかにした。

希望連盟はマニフェスト(政権公約)に、閣僚や国会議員の資産公開、首相・州知事の任期制限、報道の自由の保護、働く女性への養育費補助などリベラル色の強い政策を掲げた。選挙戦では、解散前の連立政権を主導していた国民戦線の汚職体質を批判した。

その国民戦線と連立政権を組むこととなり、内閣発足後に連立内で政策の方向性の違いが表面化する可能性がある。アンワル氏にとって、円滑な政権運営が優先課題となる。

アンワル氏はイスラム教青年指導者として頭角を現した後、政界に転身。教育相などを経て1993年に副首相に就任した。マハティール首相(当時)の有力な後継者と目されていたが、アジア通貨危機の対応を巡って関係が悪化し、98年に副首相職を解任、逮捕に追い込まれた。「同性愛行為」などを理由とした服役はナジブ政権下も含め2度、合計で約9年に及んだ。

2018年5月の前回の下院選で、敵対していたマハティール氏と希望連盟で共闘し、1957年の独立以来、初の政権交代を実現。直後に国王の恩赦を受けて釈放された。首相に復帰したマハティール氏から首相職の禅譲を約束されていたが、結局実現しなかった。長年改革を訴えてきたアンワル氏が下院選での最大議席の獲得を経て、悲願の首相に就く。

20年2月にマハティール氏が首相を辞任した後、マレーシアでは国民同盟のムヒディン氏、国民戦線のイスマイルサブリ氏と短期間で首相が交代した。アンワル氏も18~20年のマハティール政権に希望連盟の最高幹部の一人として事実上、関与してきた。

約2年の短命に終わった希望連盟の政権に厳しい目を向ける有権者も多く、失敗の経験を踏まえて、有権者に約束したマニフェストを実現できるかが焦点となる。

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