ミャンマー国軍、麻生太郎・渡辺秀央両氏に称号授与

【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー国軍は20日、自民党の麻生太郎副総裁と日本ミャンマー協会会長の渡辺秀央元郵政相に名誉称号と勲章を授与した。「国の発展と平和のために尽くした」と説明した。21日付の国営紙が報じた。
麻生氏は授与式に出席せず、渡辺氏が代理で受け取ったという。2021年2月のクーデター以後、ミャンマー国軍から日本人が勲章を受けるのは初めて。
両氏はミャンマーへの政府開発援助(ODA)供与を推進し、最大都市ヤンゴン近郊のティラワ経済特区への円借款などに関わった。渡辺氏はクーデター以後も度々ミャンマーを訪問し、軍事政権側との面会を重ねている。
首都ネピドーで開かれた式典では、国軍トップのミンアウンフライン国軍総司令官が渡辺氏に「両国の友好や日本からの投資誘致に努めてくれた」と述べ、勲章を手渡した。国営紙によると式典を欠席した麻生氏は渡辺氏を通じてミンアウンフライン氏へ謝意を伝えたという。
日本政府はミャンマー国軍によるクーデターを認めず、早期の民主体制回復を求めてきた。在ミャンマー日本大使館は「個人として授章されたもので政府としてはコメントできない」と語った。
ミャンマー国軍は2021年2月1日、全土に非常事態を宣言し、国家の全権を掌握したと表明しました。 アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政権を転覆したクーデターを巡る最新ニュースはこちら。