ポンペオ氏ら28人に制裁 中国、米前政権に異例の報復

【北京=羽田野主】中国外務省は21日、トランプ前米政権で国務長官を務めたポンペオ氏ら28人に制裁を科すと発表した。中国本土や香港、マカオへの入境を禁じる。関係企業・団体の中国での経済活動を制限する。
中国はバイデン氏の大統領就任直後に制裁を発表した。対中強硬策を相次ぎ打ち出してきたトランプ前政権に異例の報復措置を取った。
今後の米中関係に悪影響を与えないように配慮しつつ、バイデン新政権が対中強硬路線を継続しないようにクギを刺す狙いがうかがえる。
中国外務省は「中国の内政に深刻に干渉し、中米関係を著しく破壊した」と非難。「国家の主権、利益を守る決意は決して揺るがない」と強調し、新政権をけん制した。
28人は前政権で大統領補佐官を務めたオブライエン、ナバロ、ボルトン各氏らで、その家族も対象となる。中国や香港、マカオに入ることが禁じられるほか、関わる企業や機関が中国側と接触したり、商取引をしたりすることが制限される。
中国は前政権が任期ぎりぎりまで打ち出す対中制裁に警戒感を強めていた。バイデン氏の大統領就任でその可能性がなくなったため、報復に出たとみられている。
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