習国家主席、米主催の気候変動サミット出席へ
中国外務省が発表

【北京=羽田野主】中国外務省は21日、米国主催で22日から始まる気候変動サミットに習近平(シー・ジンピン)国家主席が出席すると発表した。気候変動を巡りバイデン米政権と連携する姿勢をみせることで、緊張緩和を探る狙いがある。
サミットはバイデン大統領の呼びかけで23日までオンラインで開く。菅義偉首相のほか、ロシア、欧州連合(EU)など40の国・地域の首脳を招待している。バイデン氏は1月に就任後、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に復帰する手続きをしたうえで開催を決めた。
焦点の一つが、世界最大の二酸化炭素の排出国である中国の習氏の出席だった。バイデン政権で気候変動を担うケリー大統領特使が4月中旬に訪中し、習氏の参加を促していた。中国側は返事を保留していた。
新疆ウイグル自治区の人権や台湾問題などを巡ってバイデン政権と対立する習指導部にとって、気候変動対策は米中対話の重要な窓口と位置づけている。今年最も重要な政治イベントである7月1日の中国共産党100年を前に、米国との協調姿勢を示すことで無風で乗り切りたいとの思惑もある。