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イラン、止まらぬ義務逸脱 抜き打ち査察拒否でIAEA事務局長が訪問

IAEAはイラン核施設への抜き打ち査察ができなくなる(グロッシ事務局長)=AP

【ドバイ=岐部秀光】イランが未申告の核施設への抜き打ち査察受け入れを停止すると宣言したことを受け、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は20日夜、イランを訪問した。米制裁の解除が進まないことにいらだちを強めるイランは、核合意で定められた義務からの逸脱を続けている。

グロッシ氏は21日、イラン原子力庁のサレヒ長官と会談した。イランが23日からIAEAの「追加議定書」の履行停止を予告していることから、今後の査察協力の技術的な進め方について話し合ったもようだ。

追加議定書は、核拡散防止条約(NPT)加盟の非核兵器国がIAEAとむすぶ保障措置協定にくわえ、さらに厳格な査察を義務付けるもの。追加議定書を批准していないイランは2015年の核合意で暫定適用を受け入れた。追加議定書の履行停止により、イランが抜き打ち査察を拒否したり、査察官の入国を一部制限したりすることが予想される。

イラン側は現在、国内で活動中の査察官の退去を迫るようなことはしないと強調している。また、追加議定書の履行停止はウラン濃縮度の引き上げや低濃縮ウラン貯蔵量の超過と同様、すぐに義務に回帰することができる性格のものだと説明したとみられる。

トランプ前米政権は核合意から18年に離脱し、原油や金融を標的にした対イラン経済制裁を復活させた。反発するイランは、ウラン濃縮度の引き上げや金属ウランの製造など義務からの逸脱を重ねている。イランの原子力活動が不透明になっていくことに、対立するイスラエルやサウジアラビアは神経をとがらせている。

ロイター通信によると、IAEAは最近、20年8月と9月にイラン国内の2つの施設で実施した査察でウラン粒子を検知した。この施設への立ち入りをイランは7カ月にわたり拒否していた。検知されたウラン粒子についてイランは納得のいく説明をしていないという。検知されたウランは濃縮されたものではなかったが、未申告の核物質や原子力活動の存在を示すものとみられている。

一方、イランのアラグチ外務次官は20日の国営テレビで、欧州が提案している米国を交えたイラン核合意当事国の非公式の協議について、参加を検討していると指摘した。

バイデン米大統領もロウハニ・イラン大統領もイラン核合意の修復を望んでいるとみられるが、米による合意復帰の手順で対立が残る。米側が「イランの義務回帰」を要求しているのに対し、イラン側は「米制裁の解除が先決」との立場をゆずらない。

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